7ヶ月間の「ヒッチハイクとCouchsurfingで世界一周」まとめ

2013年9月24日

 

2012年6/3から12/29の206日間で世界一周をした。旅の約半分の期間を現地の人のお家に泊めてもらい、ヨーロッパとアメリカをヒッチハイクで横断して、たくさんの人に助けられた旅だった。世界一周旅行は自分が高校生だった頃に高橋歩さんの本を読んで以来の、ずっと叶えたかった夢。学校やお金の問題などいろいろと理由をつけて、なかなか一歩が踏み出せないまま時が経ってしまい、ずっと口だけだったけれど、今回ようやく念願の夢が叶った。旅にでて感じた事や思った事を帰国してまだ日が経たないうちに、振り返って書き残しておこうと思う。

 

 

そもそも何で世界一周をしたかったのか


僕が世界一周をした理由は大きく分けると3つある。一つ目は単純に「世界を見たい」と思ったからだ。せっかく飛行機やネットが発達して簡単に海外に行けるこの時代に生まれたのに、世界を見ずに死にたくないと思ったからだ。二つ目は「日本を外から見てみたい」と思ったから。日本の中に居ては日本の事は分からない。だから世界にでて、日本から出来るだけ長い時間離れて、自分という「日本人」がどんな考え方をしているのかを感じてみたかった。3つ目は「英語」だ。僕は旅ではなく、留学と言う選択肢も考えていた。でも、使う機会が多ければ、旅だろうが留学だろうが関係なく英語は習得できると思ったので、色んな国をふらふらと放浪する世界一周をする事にした。

 

 

日本には日本人しか居ない。

今回の旅で一番衝撃的で、一番強烈に感じた事は「日本には日本人しか居ない。」ということだ。
パリに行ったとき、仲良くなったフランス人とニュージーランド人がこんな会話をしていた。

ニュ「おれ東京に行きたいんだよね。」
フラ「俺、日本行った事あるよ。お前東京はすごいぞ!本当に日本人しか居ないんだ」
ニュ「まじで!?」

これを最初に聞いた時は、当たり前じゃんって思ったんだけど、よく考えたらすごい事で、東京(日本)には本当に日本人しかいない。というか、同じ背景をもって生まれてきた人しか居ない。全く居ない訳ではないけど、自分はもう23年間日本で暮らす中でできた、外国人の友達は中国と韓国からの留学生1人ずつだけ。しかも2人とも日本語ぺらぺらだ。キリスト教やイスラム教を信じている友達もいない。ほとんどの人は日本語しか話さないし、日本で生まれて、日本で育ち、日本で就職する。

ロンドン、パリ、イスタンブール、香港、ニューヨークと世界の大都市に滞在したけど、世界に名だたる大都市で、ここまで自国民しかいない、同じような「人種」しか居ない国はまれだと思う。世界の大都市には様々な「人種」が居た。文字通りの人種もそうだけど、生まれた場所や背景、考え方が違うのは当たり前だった。生まれ育った国と自分が働く国が違うのは別に珍しい事じゃない。海外で住む、働くという選択肢がリアリティを持ったのは、この旅での自分の大きな変化のひとつだと思う。

 

 

日本では「こうしなきゃいけない感」が漂っている。

日本には同じような「人種」ばかりが居るから、多くの人が同じ様な考え方をする。自分が考えていることは、大体みんな同じだろう。という感覚をみんな持っている。だから、日本は「こうしなきゃいけない感」が強い。ルールも何もないけれど、物事はこうあるべきと言う考えがあらゆる行動に現れる。こうゆう感覚はもちろん海外でもあるかも知れないけれど、日本では強く、そこからちょっとでも外れると、なにか犯罪でも犯したかのような目で見られることがよくある。

この「こうしなきゃいけない感」を身近なところで感じる場所は、駅のエスカレーターだ。左側が立つ人。右側が急ぐ人(関東)。誰が決めたんじゃない。別に法律なんてない。でも、日本でもし右側に立っていたら別に混んでなくてもそれだけで、周りの人にもの凄い目で見られるだろう。

ロンドンに行ったとき、マクドナルド等のファーストフードの店で、髪の色がすごく明るかったり、頭に布を巻いて仕事をしている人を普通に見かけた。ロンドンに15年近く住む日本人の女の子と話していて、日本ではルールが厳しくて多くの企業は髪を黒に染めないといけないんだと伝えると「え?ダメなの?」って言ってびっくりしていた。ロンドンでは「違い」が当然の様に受け入れられている。日本は同じ髪型髪色でないといけない。それは仕事だから仕方ないよね。で済まされると思う。こうしなきゃいけない。という「常識」がはびこっている。

日本には「日本人」しか居ないから、少しでも違いがあると、目立つ。それによってすごく良いこともたくさん起こるけど、それを窮屈に感じる人も中にはいるだろう。

単一民族しか居ないから、おおまかな背景が同じだから、考える事もだいたい同じ。「単一民族しかいない」と言う事実を認識すると、日本のたくさんの問題とか外国人に日本は変だと言われる事に説明がつく気がする。

自分なりではあるけれど、日本を客観的に見る事が出来たのはすごく大きな財産だと思う。

 

 

やっぱり日本人は恵まれている。

日本人の旅人はやっぱり恵まれている。日本のパスポートはアジア、ヨーロッパを始め世界中のたくさんの国でビザなしで入国が出来る。世界でもトップレベルの便利なパスポートだ。

イギリスのGlasgowという街で一人の中国人の学生と会った。彼女と話していて、

「世界中旅できるなんて本当に羨ましい。それは私の夢!人生でいつかは成し遂げたいの。」

と言っていた。彼女と僕は同い年。英語は堪能だし、イギリスに留学していると言う事は家は裕福な方だろう。でも、そんなに簡単に旅が出来ないのはビザの問題があるからだと言う。中国のパスポートではヨーロッパは愚か、東南アジアですら観光でもビザが必要だ。一つ一つのビザの値段、手間、かかる時間を考えると日本のパスポートがどれだけ恵まれているか分かるだろう。

それに日本は経済的にトップクラスで発展しているので、世界的に見てもかなり物価は高い。別に(日本の中で見たら)裕福ではない家の23歳学生が普通にバイトをして世界一周できるのも、完全に日本の物価のおかげだ。

「日本人はめちゃくちゃ礼儀正しくて、親切、そして面白い文化を持っている」僕が会った人達に聞いた日本人像は、こんなところだ。世界中で現地の人のお家に泊めてもらったり、ヒッチハイクできたのも日本の良いイメージがあったからだし、僕は先人に感謝しないと行けない。それだけで終わらず、絶対次の世代にもまわさないと行けないと思う。

なんだかんだ日本は嫌なところもあるけれど、素晴らしい国だ。先人達が残してくれた遺産のおかげで、僕はこんなにも長く素敵な学びの多い旅ができた。それを忘れちゃいけないと思った。

 

 

世界にはすごい奴がいすぎた。

21カ国200日旅をして、本当にすごい奴に会った。Couchsurfingを使って旅人を泊めまくって旅の情報を仕入れ、それを本にして出版している中国人カップルとか。10万円で世界一周をしていて、中国からフランスまでヒッチハイクで来た韓国人とか。たった一年勉強しただけで日本語ぺらぺらのインド人とか。世界中でジャズの演奏して生計を立てているベルギー人の音楽家とか。7年間旅し続けながら現地の雑貨を売り、生計を立てている日本人とか。他にもたくさん。旅という切り口だけだけど、想像を超えた人にたくさん会った。きっと旅以外でも他のあらゆる分野で日本の外にはすごいひとはたくさんいる。世界は広い。

 

 

世界でかすぎ。

人だけでなくて物理的にも世界のでかさを肌で感じた。「世界」と言われて、どれだけリアルに「世界」をイメージできるだろう?地図帳で見てた地球。google mapsでみてた世界地図。どんだけでかいかなんて全くイメージ湧かなかった。ただ「でけぇんだろうな」って漠然と思ってた。

でも、地球をぐるっと一周して、ただ「でかい」とイメージしていた世界が、輪郭をもってリアルに「でかい」んだと感じた。

ヒッチハイクでヨーロッパを横断しようとしていた時、途中チェコに止まった。ヨーロッパ横断ヒッチハイクはトルコのイスタンブールからスタートして、ここまで何台もヒッチしたし、かなりの距離を走ったので、結構いってるかなーと思ってふと見てみた世界地図。
びっくりした。

「え!?これだけ!?」


「世界でけー!!!!!」強烈に感じた。世界の大きさに震えた。どんだけ大きいんだよ。
世界を一周したけれど、正直アフリカ南米オセアニアには行っていないし、行った国でも行けなかった都市や場所はたくさんある。
世界、でかすぎる。想像をはるかに超えたでかさだった。今はインターネットがあるから、地球の裏側の出来事もなんだから身近に感じる事はあるけど、実際の距離、地球大きさは絶対に自分で行ってみないと分からない。簡単に想像できる物じゃない。旅に出た事で逆に旅したい場所が増えた。もっとこのばかでかい世界を見てみたいと思う様になった。

 

 

英語は標準語。

英語は本当に便利だ。世界中どこに行っても必ず少しは話せる人がいる。いろんな国で友達を作ったり現地の方の家に泊めて頂いた時も、会話は全て英語だった。僕は留学代わりに世界一周をしたという理由も一つとしてあるので、英語がペラペラな奴に「何故お前はそんなに英語がうまいのか?」という質問を必ずしていた。

非ネイティブで英語がうまい奴のほとんどは、「映画や音楽を英語で聞いている」からと言っていた。要は英語に触れている時間が長いんだ。語学留学をしても英語が話せない人もいる。日本に居ようとどこに居ようと、大事なのは触れる時間。なかなか機会がないから自分で作るしかないけれど、自ら機会を作って英語を学べば、身につける事も出来るんだと思った。2013年は洋画を字幕なしで理解できるようになる事を目指そうと思う。

 

 

完全に周りのおかげ。(ヒッチヨーロッパ&アメリカ横断&カウチ100泊)

僕が怪我や大きな事件に遭わず、無事日本に帰って来れたのはただ運が良かっただけだと思う。
ヒッチハイクで70台近くの車にのり、現地で出会った人のお家に約100泊した。でも、ハンガリーで、couchsurfingを使った睡眠薬強盗の被害にあった人にお会いしたし、アメリカのインディアナ州で乗せてもらったドライバーから、ナイフを出された話しも聞いた。

本当に帰ってこれて良かった。旅中に出会った人のおかげで今回の旅は安全で、すごく学びのある楽しい旅になったし、今の僕はあるんだと思う。このたびの経験はきっと人生の大きな選択をするときにふと思い出す気がする。本当にありがとう。

 

 

写真たち

最後に、世界中でとった素敵写真たちでこのまとめを締めようと思います。
今でもこの写真達を見るとその当時の事を思い出す。楽しかった!ありがとう世界!!

 

 

中国四川省 チベット人の街「理糖」の空

中国四川省 理糖

 

 

インド 二回目のタージマハルも美しかった。

 

 

インド バラナシの聖なる川「ガンガー」

 

 

世界一高級なホテル「ブルジュ・アル・アラブ」で食べた1万円のランチ

 

 

UAE ドバイ 世界一高いタワー「ブルジュ・ハリファ」からの夜景

 

 

一週間一緒に過ごしたセルビア人のホスト、タマラと

 

 

ウィーンの美しすぎる教会

 

 

ウィーンでゲイのカップルと行った、ハロウィンパーティ@ゲイバー

 

 

ヒッチハイク中の車窓。忘れられない。

 

 

チェコでヒッチハイクしたドライバー達と

 

 

チェコにある、3万人の骨で作られている教会

 

 

ベルリンの街は本当に綺麗だった

 

 

パリの光り輝くエッフェル塔

 

 

アメリカ横断ヒッチハイクで、アメリカのでかさを思い知った

 

 

どこまでも続くグランドキャニオン

 

 

アメリカで乗せてくれたノリの良いドライバー、フィリップと

 

 

ルート66

 

 

かなり長くなりましたが、旅のまとめでした。本当はもっとたくさん各項目があったのですが、長過ぎるので止めました笑

 

この記事を見て、少しでも世界に興味を持ってくれる人が増えたら幸いです。みなさん思い思い素敵な旅を!Have a nice trip!

 

 

ひろき@恵比寿